3期 2000.5〜[日常生活リズムの変化、歩行困難へ] P.9
7月19日(水)晴れ 明け方午前3時ころのこと、泰行が「なんか臭う!」といきなり飛び起きた。私もその異臭にはっと目がさめる。 「いったいなに?」いままで嗅いだことのない異様な臭い・・・・。エディの部屋を見ると床一面がびしょぬれになっている。なんとおちっこの海! 下痢の時などどうにも我慢できないときには部屋でそそうしまうことはしょっちゅうあるが、おちっこを漏らしてしまったことなど成犬になってから今がまさに初めてのことである 。いよいよ、「おむつ」を必要とする時期が来てしまったのであろうか・・・・・。 エディはというと、自分がなぜこんなことに・・・とエディ自身が呆然の表情。 よっぽど我慢してついにしきれずにこんなになってしまったのだろう? かわいそうに…かわいそうに… おちっこまみれになったエディ、反って愛おしい
7月31日(月)晴れ 暑い! かなり後ろ足の調子は悪い。散歩時などは外側へ「わん曲」していいるのがよく見てとれる。特に左足に顕著だ。 水を飲む時などもその足のわん曲のせいで体の左側を支えきれないのでどうしても左側へと体が倒れ込むようになり、それを避けようとするがために、つい左側へ回り込むようになってしまう。 それでぐるぐると左周りに何度も回ってそのうちにガクっとへたって座り込んでしまうのだ。 そうなってしまうと、自力ではなかなか起きあがれないので水を飲みたくても飲めずじまいになってしまう。 もちろんえさを食べる時でもこれと同じ状態になる。 そう、もうすでに「老犬介護」の現実に今まさに直面しているんだ。 この現実をしっかりと受け止めていかねばならない日がとうとう来たんだ。…というよりすでにその渦中に突入しているんだ。
8月2日(水)晴れ やはり後ろ足のふんばりがきかないので、食べる体勢を維持できないでいるようだ。食欲はあるようなのに。 そこで横に寝たままの姿勢で、えさをダンゴ状に丸めて口まで運んでやるとパクッと食べたかと思うとたちまち全部たいらげた。やっぱり食べたかったんだ。 お腹減ってたんだ。・・・・かわいそうに・・・
8月8日(火)晴れ 横になったまま食べさせたり、また調子のいい時には自力で立ってなんとかふんばって食べられる。 だが、いままでのように四つ足で体を支えられないようで、おすわりの姿勢になって食べていることも多い。寝かせたまま食べさせる私自身の労力はいとわない 。ただ、エディ自身が自分でできる可能性が少しでもあるうちは、自力でさせてやりたい。犬にだって立派なプライドがある。また筋肉の衰えをわずかでも食い止めるためにも。 がんばれ・・・エディ。 ふんばりがきかずペタンとおすわりの姿勢でもどうにか自力で食べられる時
8月9日(水)すごい雷 雨 風 この空模様のせいもあるのか、今日はまったく「落着かない犬」ハァハァ、ゼィゼィ、歩き回っては疲労で後ろ足がへたって倒れ込む。 そのたびに「わんわん、きゅんきゅん」と鳴いて助けを求める。どうなだめすかして撫でてさすっても「落着かない状態」はやまない。 エディ自身はもう疲労困ぱいなのだがどうしてもやめない。いったいどうしたらいいんだ・・・・・・
8月20日(日)晴れ 「落ち着かない犬」状態はもう毎日の日課となった 。明け方少し前にこの状態になると泰行か私のどちらかが起きてそばについてやる。少し近所を散歩させたり、なでたりさすったり。 最近のエディは生活リズムがまったく狂って、症状も一定ではない。 我慢できずにウンチをしてしまってその上にへたりこんでしまうこともたびたびある。そのたびにお尻や体にウンチがついて汚れてしまう。 かわいそうに…そしてもちろんその汚れた体を拭いてきれいにしてやらねばならない。 足腰が弱り、自力で動けなくなると、自分のしたいように出来ないストレスが原因で予測もしないようなさまざまな症状を引き起こすこともあると言う。 そうだよね。もっともだよね、人間ならばなぜ自分がこうなってしまうのか理解できるだけまだまし。エディにとっては「どうしてこうなるの?」と理解さえ出来なくて苦しんでいる。 言葉が通じればいいなとこんな時強く強く思う。 「エディ、仕方ないことなんだよ・・・・辛いだろうけどエディはおじいちゃんになってしまったんだ。だから少しずつ体が思うようにならなくなるんだよ。だけどね、こんなことになっても私達は必ずおまえを庇護する。なにがあってもだよ。だから安心してていいんだよ・・・」そういって聞かす。 心が通じれば、そう、言葉なんて要らない。
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