4期 2001.5〜[後ろ足ついに不能に。自力での食事・排せつが出来ず] P.19
6月24日(日)くもり 後ろ足は動かすことも出来ない。筋肉が固まって麻痺したような状態になっている。 腰を支え持って前足で歩かせるのだが、いよいよその前足も彎曲が目立ってきた。 それもそうだろう、四つ足で体重を支えながらバランスを取っていたのが、いくら腰を支え持っているからといったって前足にかかる負担は老体には堪えるに決まっている。 特に彎曲の具合は、左足に顕著でそれに従い背骨までが左側へ彎曲しているようである。そのためまっすぐに前進できず、左側へばかりへ回っていってしまう。 背骨の彎曲はそれだけにとどまらず、垂直方向にも(つまり重力方向へ)落ちてきている。 夜、台車散歩で近所をひとまわり。その間ずいぶんと落着いていた。 泰行がいてくれるとこうして台車散歩もできる。私1人だと、乗降時不安定になるのと、乗せたあとにぐずり出して動こうとする時など、ずれおちそうになって危険なのだ。 そういった物理的な面は言うに及ばず、精神面でも二人でいる日とそうでない日ではまったく違う。やはり二人でいてこそ安定した精神状態で看てやれる。 自分の非力さを痛感すると同時に、共に愛情の対象を同じく持って力を合わせる相手がいることがどんなに大切か改めて思う。そしてそのことに感謝せずにはいられない。
6月26日(火)晴れ かなり暑い!暑い! 食欲は旺盛。昼間食パンを5枚もたいらげた!うれしい! 夜は10時頃に厚切り食パンをこれまた2枚ぺロリと!…と安心したのも束の間、そのあとすぐに下痢ウンチ。いつも右半身を下にして寝ているその格好のまま出てしまったようで、右半身はウンチまみれになってしまった。 とりあえず、左半身を下にするように体をパタンと反対向けにひっくりかえしてから、お湯できれいに拭き取ってやる。この時、腰骨あたりの毛をかき分けた際に、赤く腫れたようになっているのを発見。 「床ずれ!?」 どのお医者さんも口を揃えて言っていた。また、あの本にも書いてあった。寝たきりになって一番恐ろしいのが「床ずれ」だと! いったん出来ると、初めは小さかった傷がみるみる大きく広がってまたたくまに体中がじくじくと膿み出すという。とうとう恐れていた事態に直面したか・・・ とにかく不安と恐怖の気持をおさえつつ、他の部分にも傷が出来ていないか毛をかき分けて探してみた。幸いにも、今見つけたこの箇所だけのようだ。しかもまだ膿みだす前の段階のようす。 あの本にはもちろん床ずれ対策についても事細かに書かれていた。早速参考にして、まずは綿の布団から「エアマット」に変えなければならない。すぐに明日買いに行かねば!急を要する事態だ!
6月27日(水)雨のち腫れ 午前中どじゃぶり 急を要して泰行が早速スポーツ店へ走って買ってきたのがビーチ用のチューブ型エアマット。海水浴などで使用するタイプのものだ。 早速空気を入れ、その上に寝かせてみたがどうも安定しない。へたをすると滑り落ちてしまわんばかりだ。コリー犬は毛足が長くもっとも滑りやすくはあるというものの…。 もういちどよくよく本を読むと、エアマットはエアマットでもチューブ型はズレて寝にくいとちゃんと書いてあるじゃない! どおりで…細かいところまで読みもしないでまったくわたしたちのあわてんぼうぶりには・・・・・
6月28日(木)はれ くもり かなり暑い 昨日のエアマットは失敗に終わった。 あの本によると、「ところどころに凹みのある一体型」がお薦め、とのこと。しかし、いろいろ探し歩くも、そのようなタイプのがなかなか見つからない。 仕方なくキャンプ用に使用するタイプのものを購入することにする。 あまりパンパンに空気を入れると安定に欠くとのことでゆるめに膨らませ、その上にガーゼタイプの薄手の敷布を敷いてやる。しかし、空気をゆるめにしても、この型のものはもともとの厚みがあるのが気にかかる。 というのも、今のエディの状態は、完全な寝たきりとは違って、「上半身をイザらせる」状態であるため、それなりに動く。とすると、これだけの厚みがあると、ずり落ちてしまって返って危険ではいか!? そういう懸念があるにはあるが、思い当たる近在の店はすべて回って適当なのが見つからなかったのだから仕方あるまい。 今しばらくはこれで様子をみながら、インターネットなどでも検索して探してみよう・・・・
6月30日(土)雨 ぐずっていざるのでエアマットからすぐにずり落ちてしまう。やっぱり予想したとおりに… それから、寝るときの体の向き。これも本人の好きな向き、というのが決まっているようで、どうやらエディは右側を下にして寝るほうが心地いいようだ。 だが、床ずれというのはもともと同じ箇所に圧力がかかることによって起こるのだから長時間同じ姿勢になることを防ぐということが重要なのだ。エディはすでに自力で寝返りをうつことは出来ないので、時間を区切ってわたしたちで寝返りをさせ、向きをかえてやるのだ。 それと、最近ヨダレの量がとっても多いことに気付いた。 ほんの短時間寝ているだけで口のまわりはおろか、胸元までヨダレでぐちょぐちょになっていることがしょっちゅうなのだ。放っておくと「ヨダレやけ」を起こすとのこと。 タオルを敷くなど、また汚れたらすぐ取り替えて清潔を保つようにしてやらなければならない。
7月1日(日)くもり 肛門腫瘍がまた大きくなってきた。今日からまたタコ糸でしばることにした。
7月2日(月)はれ 食欲はある。 ここのところ、ヴィダー・イン・ゼリー(エネルギー・イン)を中心に、ヨーグルトやはちみつをパンにつけるというメニューを続けている。整腸作用のあるビオフェルミンも欠かさずに。 しかし、ヴィダーの成分表をよくよく見ると、エネルギー・インタイプは脂質の分量が多い。老齢になると脂質は余剰カロリーになって体に負担をかけるとも言われている。 このため、今後はヴィダーのビタミン・インタイプに切り替えることにしよう。 |