7期 2002.1〜[天国へ旅立ってからの日々] P.43

 

1月28日(月)

昨日の時点での話では、この時期亡くなるペットが多いとのこと、火葬の順が混んでいると言うことだった。最長3日あとくらいになるかも…と聞かされていた。

が、幸運にも朝方すぐに火葬が済んだとの電話が入った。

泰行の仕事が区切りがつくのを待ち、葬儀社へ向かう。エディの灰になった骨が運び出されて来た。白い陶磁器でできた骨つぼにおさめられた。

細かな灰は、3人での思い出の地にまく旨伝えると、係りの人が別の小さめの容器に入れてくれた。

昨日の葬儀の際、ただ泣いて正気でない私のよこで、泰行が気丈に骨の安置方法などについて葬儀社の人と話し合っていた

。月一回の合同葬儀というものがあって、そのあと共同墓地に安置される方式に従う手筈になっていたらしい。その日迄は、この骨を拾った部屋で祀られていることになるのだ。

しかし、私はなんとしてもエディをこのままここへ置いておくなんて、とうてい出来ないと思った。一刻も早く私たち3人の家に連れて帰りたい一心だった。そのことを伝えて変更してもらい、帰途へとついた。

ただでさえ、昨日葬式のあとエディを見送ってしまった!霊安室にひとりにさせてしまった!

人間の葬式ならどうだろう!?息を引き取った瞬間から通夜、葬式、そして火葬になるその瞬間手前まで片時も離れずついていてやるではないか!?

さまよう魂を見送るために、通夜ではずっとろうそくの火を灯し、親しかった人たちが故人の生前を忍ぶではないか!?

なのに、午前10:00に息を引き取って、その日の4:00に葬式、もちろんその間、ずっと泣きながらそばについてさすり撫でていた。エディの体温が少しずつ少しずつ冷たくなっていくのが手のひらを通して感じられた。

しかし、葬儀のあと、あんなにあっけなく、引き取っていかれた・・・・・

なぜ一晩一緒にいてやらなかったのだろう!?あんなに片時も離れず介護しさすり撫でて触れてきた!

火葬になる寸でまでずっとさすっていてやればよかった!!

人間のそれのように、遺体の腐敗を防ぐためのドライアイスなどの施しももちろん用意されてもいない、ならば自分たちでそうしてやればよかった。

運ばれて行った葬儀社の車は、背の高い軽四で、リアシートが柩の安置されるスペース、その窓には黒い幕が引かれてあった。出発の最初、わたしたちが見えなくなる迄見送ったときも、スピードは緩めでゆっくりゆっくりと進んで行くなど、配慮はあった。

とはいえ、なにも決まりごとをせねばならないということはひとつもないのだ。私たちで自分ちのキャンピングカーのリアベッドに寝かせて私がずっとそばについてさすっていってやればよかったんだ。火葬になる寸でまでずっとそうしてやっていればよかったんだ!

あんなに辛い思いをして、あんなにがんがったのに、最期の最後にエディをひとりぽっちにしてしまった。

それもまったく知らない場所で。あれほどの辛さを耐え抜いてやっとお迎えが来て天に召されたエディを・・・

なんということをしてしまったのだろう!?

悔やんでも悔やみきれない。もう一度昨日の日が戻るなら!!

 

 

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